ナカガワ サトシ
SATOSHI NAKAGAWA
中川 諭 所属 文学部 文学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2023/09/10 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | 立正大学図書館蔵『三国志伝』について |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『三國志研究』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 三國志学会 |
巻・号・頁 | (18),70-85頁 |
概要 | 立正大学図書館に『三国志演義』の版本が一種収蔵されている。書名は『新刻京本按鑑演義合像三国志伝』で、二十巻本である。この本の存在は従来知られていなかった。この本を詳細に調べてみると、天理図書館蔵本と同版であることが分かった。天理図本には序文がなく、また欠葉もあるが、立正大学本には序文があり、また基本的に欠葉はない。立正大学本の存在によって、天理図本も明代万暦38年に福建・建陽の書肆羅端源勤有堂から出版されたことが分かった。よって今後、立正大学本と天理図本ともに「勤有堂本」と呼ぶことにする。
勤有堂本とその他の版本を比較してみると、勤有堂本は忠正堂本と密接な関係にあることが分かる。一方で、勤有堂本独自の文章もあり、よって勤有堂本と忠正堂本は継承関係にあるのではなく、並列の関係にある。簡本諸本の中で勤有堂本と忠正堂本にのみ見られる文章、あるいは勤有堂本のみに見られる文章は、大半は二十巻繁本系版本の中に見える。だとすると、簡本「志伝グループ」は二十巻繁本系から派生したのではないかと考えられる。 |