ナカガワ サトシ   SATOSHI NAKAGAWA
  中川 諭
   所属   文学部 文学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2025/09
形態種別 学術雑誌
査読 査読あり
標題 十二巻本『三国英雄志伝』再考―希不全山房第十種―
執筆形態 単著
掲載誌名 三國志研究
掲載区分国内
出版社・発行元 三国志学会
巻・号・頁 (20),53-65頁
概要 最近『三国志演義』版本の新資料が次々と発見されている。その中に巻数がいささか奇妙な一本が存在する。巻一巻頭書名を『新刻按鑑演義京本三国英雄志伝』といい、巻一から巻三のみ存する。残存各官も欠葉がたいへん多く、必ずしも各巻全葉が残っているわけではない。行款は十五行三十二字である。書名と行款から、この本は六巻本系統の『三国英雄志伝』であろうと考えられる。希不全山房・張頴傑氏の所蔵で、とりあえず「希不全山房第十種」と呼ぶことにする(簡称を「希10本」とする)。希10本は確かに六巻本系統の版本であるが、巻の分け方が十二巻本の松盛堂本と類似しており、この本も十二巻本であるようだ。
希10本は松盛堂本と同じように、確かに十二巻本である。しかし松盛堂本とは版を異にし、かつ直接の継承関係にはない。希10本・松盛堂本ともに大文堂本と比較的近い関係にあるが、両本は大文堂本を挟んで比較的離れた関係にある。かつ希10本は清末光緒年間頃の刊行であり、清末時期において希10本を読んでいた読者が確かにいた。このことにより、『三国英雄志伝』の流行は清代末期にまで及んでいたことが分かる。