ツジムラ マサコ
MASAKO TSUJIMURA
辻村 雅子 所属 データサイエンス学部 データサイエンス学科 職種 准教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2021/10/22 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | ケインズの「戦費調達論」が国民経済計算体系に与えた影響 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 経済学季報』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 立正大学経済学会 |
巻・号・頁 | 71(2),59-77頁 |
概要 | 一国経済の現状を数値で客観的に把握するための勘定体系として、国民経済計算体系(A System of National Accounts; SNA)という国際基準が、第二次世界大戦前後から国連を中心に作成されてきた。草創期にこの体系の発展に多大な貢献をしたのが、1947暫定版SNA、1953SNA、1968SNAの監修者を務めた英国の経済学者リチャード・ストーンである。ストーンは1984年にノーベル経済学賞を受賞しているが、「国民経済計算の開発への根本的な貢献」が授賞理由の1つにもなっている。このストーンが国民経済計算に関わるようになった背景には、ジョン・メイナード・ケインズが、物価上昇を回避して如何に戦費調達を行うかを論じた、1940年の小冊子「戦費調達論(How to pay for the war)」の存在がある。同著には、一国の最大生産可能量、固定資本減耗、生産と移転の区別等、後の国民経済計算体系に影響を与えたと思われる考えが数多く記されている。そこで本稿では、ケインズが「戦費調達論」の中で、国民所得勘定をどういう目的でどの様に活用したのかを、Keynes (1939, 1940) を基に改めて振り返りながら、国民経済計算体系との関係を考察する。 |