ハラダ ユタカ
YUTAKA HARADA
原田 豊 所属 データサイエンス学部 データサイエンス学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2020 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | 東京都下の5年間のデータによるひったくりの被害リスクの推定 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 理論と方法 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 数理社会学会 |
巻・号・頁 | 35(1),62-75頁 |
概要 | 公共空間を移動中の人を対象とするひったくりなどの犯罪は,その被害のリスクを推定することがこれまできわめて困難であった.本研究は,この問題を克服するため,Lemieux and Felsonに依拠し,100万人時あたりのひったくりの被害リスクを推計したものである.分母として使われたデータは,東京大学空間情報科学研究センターから提供された「人の流れプロジェクト」の2008年のデータである.分子として使われたデータは,2006年から2010年の5年間に警視庁に認知されたひったくりの公式記録である.分析の結果は以下のとおりである:(1)100万人時あたりのひったくりの被害リスクは男性で0.156,女性で2.229である.(2)被害件数では20-39歳の年齢層や有職者がもっとも多いのに対し,被害リスクでは60歳以上の高齢者や主婦・無職者がもっとも多かった.(3)地理的分布に関しても,被害の件数・人口比と被害リスクとの間に差異が見られた.以上の結果は,移動中の人々の犯罪被害を検討するためには,被害の危険への曝露人口を考慮した分析が必要であることを強く物語っている. |