ツチヤ ノリコ
NORIKO TSUCHIYA
土屋 典子 所属 社会福祉学部 社会福祉学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2024/11 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
査読 | 査読あり |
標題 | ウプサラ市の「特別な住居」における組織マネジメントの研究 -「対話」と「タスクワーク」の促進に焦点を当てて- |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 立正大学社会福祉研究所年報 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 立正大学社会福祉研究所 |
巻・号・頁 | (26),63-83頁 |
総ページ数 | 20 |
担当区分 | 筆頭著者 |
概要 | 現在スウェーデンは多国籍の介護スタッフが増加している。さらに、施設の民営化が進み、多様な主体が高齢者介護施設の経営に携わるようになっている。こうした外部環境、内部環境の変化にさらされている高齢者施設において、職員間のコンフリクトが報告されているが、依然として高齢者施設入居者のサービス満足度は高い。それはなぜか?組織内においてどのようなマネジメントがなされているのか。本研究の主たる目的は、この問いの答えを探すことであった。
「特別な住居」における管理者および介護リーダーたちは、組織の「対話」と「タスクワーク」の促進のために、まず多様な国籍の職員からなるケアチーム内において会話が生まれるための様々なレベルの取り組みを行い、コミュニケーションを促進させていた。そして、職員間のコミュニケーションにおいては、単なる情報の共有、交換だけでなく、それぞれの言葉の意味を理解しあうプロセスも垣間見ることができた。そこでは人と人とが互いの言葉を聞き、言葉に反応し、自らの解釈を修正しながら新しい意味を理解しあうという、まさに「対話」が促進されていた。 また、こうした取り組みは、個々の職員の心理的安全性を高め、働きやすい職場風土をつくりだしていた。さらに、こうした風土は職員間における正確で迅速な情報の交換、共有、活用の基盤となり、こうした基盤は利用者への質の高いケアを行う上でのタスクワークを促進させていた。 そして、こうした土壌のベースとして、「人を育てる文化」が職場内に根付いていること、また、介護リーダー、管理者間の役割におけるバランスが非常に有機的であることが明らかとなり、これらが、利用者への権利擁護の視点から適切なサービス提供を作り出していることが伺えた。以上が「特別な住居」における「対話」と「タスクワーク」を促進する上での組織マネジメントのプロセスである |